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監査法人で数年間働くと、その後のキャリアとしてコンサルティング業界が気になる人もいるだろう。
「監査法人の経験は、コンサルでも評価されるのか」
「戦略コンサルやFAS、事業再生コンサルは何が違うのか」
「自分の経歴で、どのような会社を狙えるのか」
私も監査法人で働いていた頃、同じような疑問を抱えていた。
筆者は、監査法人に3年半勤務した後、転職活動を経て事業再生系のコンサルティング会社への転職を決めた。
転職活動を始める前は、私自身も「コンサル」という言葉をひとくくりに捉えていた。しかし、実際に調べてみると、戦略コンサル、総合コンサル、FAS、事業再生コンサル、ITコンサルなど、その種類は非常に多い。
仕事内容だけでなく、求められる能力、選考方法、監査法人での経験との相性も異なる。
そこで本記事では、監査法人からコンサルへの転職を考えている人に向けて、コンサルティング業界の全体像と、公認会計士資格・監査経験を活かした転職戦略を解説する。
結論:まずはコンサル専門の転職エージェントと面談してみよう
コンサルへの転職が少しでも気になっているのであれば、まずはコンサル業界に詳しい転職エージェントと面談してみることをおすすめする。
もちろん、インターネットや書籍を使って、自分で情報収集することも重要である。
しかし、コンサル業界は非常に複雑だ。
同じ「コンサル」という名前でも、戦略、業務改革、IT、M&A、事業再生など、実際の仕事内容は大きく異なる。
さらに、同じコンサルティング会社であっても、所属する部門によって仕事内容、選考方法、働き方が異なることも珍しくない。
筆者も、転職エージェントとの面談を通じて、コンサル業界のTierや各領域の特徴といった全体像から、個別の会社・部門ごとの違いに至るまで、理解を深めることができた。
自分一人で調べていた頃と比べて、転職先の選択肢が一気に具体的になったことを覚えている。
特にコンサル専門の転職エージェントであれば、以下のような情報を得られる。
- 自分の経歴で応募可能な会社
- 各社・各部門の具体的な仕事内容
- 書類選考を通過できる可能性
- ファームごとの選考方法
- ケース面接の有無と対策方法
- 過去の選考事例
- 実際の働き方や社風
監査法人からコンサルへの転職を考えているのであれば、コンサル転職に特化したMyVisionをお勧めする。
MyVisionは、戦略、総合、IT、FAS、シンクタンク、各種ブティックなど、コンサルティング業界への転職支援を専門に扱っている。
「まだ転職するか決めていない」
「コンサルに興味はあるが、種類の違いもよくわからない」
このような段階でも問題ない。
まずは話を聞き、自分にどのような選択肢があるのかを知る。その後で、実際に転職活動を進めるか判断すればよい。
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監査法人からコンサルへの転職は十分可能
監査法人からコンサルティング会社への転職は、十分に可能である。
特に、以下の経験はコンサルへの転職でも評価されやすい。
- 会計・財務に関する専門知識
- クライアントとの折衝経験
- 複雑な論点を整理する能力
- チームやプロジェクトの管理経験
- 経営層や責任者に対する説明経験
- IFRS導入、IPO支援、内部統制構築などのアドバイザリー経験
- 特定業界に関する知識
ただし、監査法人に勤務しているだけで、どのコンサルティング会社にも簡単に転職できるわけではない。
コンサルの種類によって、監査経験との相性は大きく異なる。また、戦略コンサルなどでは、通常の面接に加えてケース面接への対策も必要になる。
重要なのは、監査経験をそのまま説明するのではなく、応募先のコンサルティング会社で活かせる能力として翻訳することである。
「コンサル」といっても種類はさまざま
コンサルティング業界は、会社ごとの境界が曖昧である。同じ会社の中に、戦略、業務改革、IT、M&A、事業再生など複数の部門が存在することも珍しくない。
そのため、以下の分類は絶対的なものではなく、業界の全体像を理解するための目安として見てほしい。
戦略コンサル
戦略コンサルは、企業の経営陣が抱える重要な経営課題を扱う。
主なテーマは、全社戦略、成長戦略、新規事業、海外進出、M&A戦略、事業ポートフォリオの見直しなどである。
代表的なファームとして、マッキンゼー、BCG、ベインなどが挙げられる。また、Strategy&、Monitor Deloitte、EY-Parthenon、Kearney、ローランド・ベルガーなども戦略案件を多く扱っている。
選考難易度は非常に高い。書類選考や通常面接に加えて、与えられた経営課題を構造化して考えるケース面接が重視される。
公認会計士資格や監査経験はプラスに働き得るが、それだけで選考を突破できるわけではない。論理的思考力、仮説構築力、コミュニケーション能力を選考の中で示す必要がある。
総合コンサル
総合コンサルは、経営戦略の策定から業務改革、組織改革、DX、システム導入まで、幅広いテーマを扱う。
代表的な会社として、デロイト トーマツ コンサルティング、PwCコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、KPMGコンサルティング、アクセンチュアなどが挙げられる。
ただし、同じ会社でも所属する部門によって仕事内容は大きく異なる。
戦略を考える部門もあれば、会計システムの導入、業務プロセスの改善、IT構想の策定などを中心に扱う部門もある。
監査法人出身者の場合、財務・会計、内部統制、リスク管理、金融などの部門とは比較的親和性が高い。一方、応募する部門をよく確認しないと、入社後の仕事内容が想像と異なる可能性もある。
FAS
FASは、企業のM&Aや財務に関する支援を行う。
主な業務には、以下のようなものがある。
- 財務デューデリジェンス
- バリュエーション
- M&Aアドバイザリー
- PMI
- フォレンジック
- 事業再生
FASは、監査法人出身の公認会計士と特に相性がよい分野である。
財務諸表を読み解く力や会計知識を直接活かしやすく、監査法人からの転職先として比較的イメージしやすいだろう。
事業再生コンサル
事業再生コンサルは、業績が悪化した企業や抜本的な改革を必要とする企業に入り込み、経営改善を支援する。
主な業務には、事業計画の策定、収益構造の分析、資金繰りの管理、不採算事業の見直し、金融機関との調整、業務改革、経営管理体制の整備などがある。
会社によっては、計画を作って終わるのではなく、クライアント企業の中に入り、経営陣や現場と一緒に改革を実行する。
会計士にとっては、財務分析や計数管理の知識を活かしながら、より経営に近い場所で働ける点が魅力である。
一方、事業再生は数字を分析するだけの仕事ではない。経営陣、従業員、金融機関、株主など、利害の異なる関係者と向き合いながら、実行可能な改革を進める必要がある。
筆者が転職したのも、この事業再生・経営改革に関わるコンサルティング会社である。
IT・DXコンサル
IT・DXコンサルは、IT戦略、システム構想、データ活用、業務のデジタル化、システム導入などを支援する。
一口にITコンサルといっても、経営戦略に近い上流工程を扱う仕事から、システムの導入・定着を担う仕事まで幅広い。
監査法人でIT監査、システム監査、データ分析、業務自動化などに携わっていた人は、経験を活かしやすい。
一方で、会計知識を中心にキャリアを築きたい人にとっては、配属先や案件によって専門性が離れていく可能性もある。具体的な業務内容を確認したうえで応募した方がよい。
コンサル業界の「Tier」だけで転職先を選んではならない
コンサル業界について調べると、「Tier1」「Tier2」といった表現を目にすることがある。
一般的には、ファームのブランド、案件の性質、顧客層、報酬水準、選考難易度などをもとに、各社の立ち位置を整理するために使われている。
ただし、Tierは公的・公式な区分ではない。誰が作った分類かによって、会社の位置づけも変わる。
また、「上位Tierだから自分にとってよい会社」とも限らない。
同じコンサル会社でも、部門やチームによって案件内容、働き方、身につく専門性は大きく異なる。ブランドだけで転職先を選ぶと、入社後にミスマッチが生じる可能性がある。
Tierは選考難易度や業界内での立ち位置を把握する参考情報にとどめ、最終的には以下の観点で会社を比較した方がよい。
- どのような案件に関われるか
- 戦略策定と実行支援のどちらが中心か
- 自分の監査経験を活かせるか
- 将来どのようなキャリアにつながるか
- 自分が希望する働き方と合っているか
- 会社単位ではなく、応募する部門やチームに魅力を感じるか
公認会計士資格や監査経験はコンサルでどう活きるのか
ここからは、筆者自身の転職活動を踏まえて、監査法人で培った経験がコンサルでどのように評価されるのかを解説する。
1.複雑な情報を整理し、重要な論点を特定する力
監査では、会社の取引、契約、会計処理、内部統制など、多くの情報を集めたうえで、重要なリスクや論点を特定する。
特に、前例の少ない取引や新しい会計事象を担当した場合、会計基準を読むだけでは答えが出ないことも多い。
事実関係を整理し、何が問題なのかを特定し、必要な検討事項を分解する。この能力は、コンサルで経営課題を整理する際にも活きる。
筆者も、FintechやIPO準備会社の監査において、新しい会計事象の会計処理、内部統制、監査手続を一連で検討した経験があった。
こうした経験は、「監査をした」という説明ではなく、「前例の少ない問題を整理し、関係者と議論しながら結論まで導いた」と説明することで、コンサルでも通用する能力として伝えられる。
2.財務数値から企業の実態を読み解く力
公認会計士は、財務諸表や会計データから企業の状態を読み取る訓練を受けている。
これは特に、FAS、事業再生、M&A、経営管理、CFO支援などで活きる。
事業再生では、売上や利益を見るだけでなく、事業別の採算性、固定費の構造、運転資本、資金繰りなどを分析しなければならない。
監査とコンサルでは目的が異なるものの、数字の正確性を確認し、その背景にある事業活動を理解する力は共通している。
ただし、監査では「会計処理が正しいか」を考えるのに対し、コンサルでは「この数字をどう改善するか」まで考える必要がある。
そのため、会計知識を持っていることだけでなく、数字を経営上の打ち手につなげたいという意思を示すことが重要である。
3.経営層やクライアントとの折衝経験
監査法人では、クライアントの経理担当者だけでなく、部長、役員、経営者と議論する機会もある。
監査上の指摘を一方的に伝えるだけでは、相手は動いてくれない。
相手の立場や実務上の制約を理解しつつ、必要な対応を依頼し、期限までに結論を出す必要がある。
コンサルでも、分析結果が正しいだけでは十分ではない。クライアントに納得してもらい、実際の行動につなげることが求められる。
監査での折衝経験は、こうしたクライアントワークの基礎として活かせる。
4.プロジェクトを前に進める力
監査主査を経験している場合、チームメンバーへの指示、スケジュール管理、論点管理、上司への報告、クライアントとの調整などを担当する。
筆者も、監査チームで主査を務め、タスクの割り振り、進捗管理、クライアントや上司とのコミュニケーション、監査のクロージングまでを主導した。
監査法人では当たり前に見える経験かもしれない。しかし、複数の関係者を動かし、期限までに成果物を完成させる経験は、コンサルでも重要である。
応募書類や面接では、「主査を担当した」とだけ伝えるのではなく、チームの人数、自分の役割、直面した問題、どのように解決したかまで具体的に説明するとよい。
5.未知のテーマを短期間で学ぶ力
監査では、担当会社のビジネス、業界特有の規制、新しい会計基準、複雑な取引などを短期間で理解する必要がある。
コンサルも、プロジェクトが変わるたびに新しい業界やテーマを学ぶ仕事である。
最初からすべてを知っていることよりも、知らないテーマを自分で調べ、構造化し、限られた時間でアウトプットに変える力が重要になる。
監査経験を説明する際も、単に担当業界を並べるのではなく、「未知の論点に対して、どのように情報を集め、仮説を立て、結論を出したか」を示すとよい。
監査経験は「コンサルの言葉」に翻訳する
監査法人からコンサルへの転職で注意したいのは、監査用語をそのまま使わないことである。
例えば、以下のように言い換えられる。
- 監査主査
→ 複数名のチームを率いたプロジェクトマネジメント経験 - 監査上の重要論点を検討した
→ 複雑な問題を構造化し、関係者との議論を通じて解決した経験 - クライアントに監査資料を依頼した
→ 相手の状況を踏まえながら、期限と品質を管理した折衝経験 - IFRS導入支援を行った
→ 制度変更に伴う影響を分析し、業務への導入を支援した経験 - 内部統制を評価した
→ 業務プロセスを把握し、リスクと改善余地を特定した経験
監査法人の中では、「主査」「調書」「内部統制評価」といった言葉だけで仕事内容が伝わる。
しかし、コンサルの採用担当者に対しては、その経験によってどのような能力を身につけ、応募先でどう再現できるのかまで説明する必要がある。
コンサル転職で準備すべきこと
監査法人からコンサルへの転職では、主に以下の準備が必要になる。
1.転職理由と志望動機を整理する
まず、「監査法人を辞めたい理由」だけでなく、「なぜコンサルでなければならないのか」を整理する。
筆者の場合は、財務情報の信頼性を確認する立場から、より経営の意思決定に近い場所で、企業の成長や変革に直接関わりたいという思いがあった。
転職理由、コンサルを志望する理由、その会社を志望する理由が一つの流れとしてつながっていることが重要である。
2.職務経歴書をコンサル向けに修正する
監査法人で担当した会社や勘定科目を並べるだけでは、コンサルで活かせる能力が伝わりにくい。
以下の項目を具体化するとよい。
- チームの人数
- 自分の役割
- クライアントの規模や特徴
- 担当した課題
- 自分が工夫したこと
- 関係者をどう動かしたか
- どのような結果につながったか
「何を担当したか」だけでなく、「どのような課題を、どのように解決したか」を書くことが重要である。
3.ケース面接の対策をする
戦略コンサルや一部の総合コンサル、ブティックファームでは、ケース面接が行われる。
ケース面接では、売上向上策、市場規模の推定、新規事業、利益改善などのテーマについて、その場で考えを整理して説明する。
知識量だけではなく、前提の置き方、問題の分解、仮説の立て方、面接官とのコミュニケーションが評価される。
監査法人の通常業務とは形式が異なるため、事前の練習が必要である。
4.応募先を一社や一種類に絞りすぎない
転職活動を始める段階では、自分にどの種類のコンサルが合うかを完全には判断できない。
筆者も、転職活動を始めた当初から事業再生コンサルだけを見ていたわけではない。戦略コンサル、総合コンサル、ブティックファームなどを比較する中で、自分が重視する仕事や働き方が明確になった。
最初から可能性を狭めすぎず、複数の会社や領域を比較することをおすすめする。
まとめ:最初の一歩は、転職エージェントとの面談でよい
監査法人で培った会計・財務の専門性、論点整理力、折衝力、プロジェクト推進力は、コンサルへの転職でも活かせる。
重要なのは、「監査法人で何をしていたか」だけでなく、その経験によって身につけた能力をコンサルの仕事に結びつけて説明することである。
MyVisionは、コンサル業界への転職支援に特化しており、未経験からコンサルを目指す人の相談も扱っている。
「転職するかどうかはまだ決めていないが、自分の可能性は知っておきたい」
その程度の温度感でも構わない。
監査法人からコンサルへの転職が少しでも気になっているのであれば、まずは無料相談を利用し、自分の選択肢を確認してみてほしい。
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