監査法人勤務者の転職活動スケジュール|内定までの流れと期間を解説

転職

監査法人からの転職を考え、転職エージェントとの面談まで一歩踏み出した人もいるだろう。

一方で、転職に興味はあるものの、

「転職活動は、具体的にどのような流れで進むのか」

「働きながら転職活動をする場合、どれくらいの期間がかかるのか」

といった疑問があり、まだ動き出せていない人もいるかもしれない。

特に監査法人は、転職を考えている人が一定数いるにもかかわらず、転職活動に関する具体的な情報が法人内で共有されにくい。

当然だが、転職活動を始めたことを周囲に公言する人は少ない。誰がどのような会社を受け、どのようなスケジュールで転職活動を進めたのかを知る機会もほとんどない。

私自身、初めて転職活動を始めたときは、全体の流れが分からず不安を感じていた。

転職先が決まった後、監査法人の先輩に退職することを伝えた際には、逆に「転職って具体的にどうやって進めればいいの?」と相談を受けたこともある。

そこで本記事では、監査法人で働きながら転職活動を進める場合を想定し、情報収集から内定承諾までのスケジュールを解説する。

転職活動は内定承諾まで7〜9週間が目安

転職活動の大まかな流れは、次のとおりである。

①情報収集
②応募書類の作成・書類選考
③面接
④内定・オファー面談
⑤内定承諾または辞退

働きながら進める場合、情報収集を始めてから内定を承諾するまでの期間は、7〜9週間程度を見込んでおくとよい。

もちろん、応募する会社の数や面接回数、仕事の忙しさなどによって必要な期間は変わる。監査法人の繁忙期と重なった場合や、企業側との日程調整に時間がかかった場合には、2〜3か月程度かかることもある。

ここからは、それぞれの工程について詳しく解説する。

①情報収集:約1週間

最初に行うのが、転職先の候補や求人に関する情報収集である。

どこまで調べるかにもよるが、働きながら進めるのであれば、まずは1週間程度を目安にするとよい。

具体的には、インターネット上で興味のある業界や会社について調べるほか、転職エージェントから求人や転職市場の状況を聞く方法がある。

監査法人からの転職先としては、事業会社の経理・財務、FAS、コンサルティングファーム、投資銀行、金融機関など、さまざまな選択肢が考えられる。

最初から転職先を一つに絞り込む必要はない。まずはどのような選択肢があるのかを把握し、自分が転職によって何を実現したいのかを整理することが重要である。

もっとも、情報収集に時間をかけすぎると、いつまでも応募に踏み切れなくなる。

転職活動を始める段階では、志望業界や応募先が完全に固まっていなくても問題ない。書類作成や面接を進めながら企業への理解が深まり、自分の転職軸が明確になることも多いからである。

転職エージェントの活用方法については、以下の記事でも詳しく解説している。

②応募書類の作成・書類選考:約2週間

応募する会社が決まったら、履歴書や職務経歴書などの応募書類を作成する。

応募書類の作成には、転職エージェントとの添削のやり取りを含めて、1週間程度を見込んでおくとよい。

履歴書や職務経歴書の基本的な内容は、複数の会社で共通して使用できる。応募先ごとに志望動機やアピールする経験を調整すれば、一から作り直す必要はない。

私は、まず自分で応募書類をドラフトし、ChatGPTと壁打ちしながら内容を整理した。そのうえで転職エージェントの添削を受け、最終的な表現を修正した。

自分だけで書類を作っていると、経験した業務を単に並べるだけになりやすい。

「その業務でどのような役割を担ったのか」

「どのような課題があり、どう対応したのか」

「その経験を応募先でどのように生かせるのか」

といった点まで言語化すると、書類の完成度が高くなる。

書類の作成後、転職エージェントまたは企業の採用ページを通じて応募する。

応募してから書類選考の結果が届くまでの期間は、1週間程度が目安である。ただし、企業によっては数日で連絡が来ることもあれば、2週間以上かかることもある。

したがって、応募書類の作成と書類選考を合わせて、合計2週間程度を想定しておくとよい。

③面接:約3〜4週間

書類選考を通過すると、面接に進む。

面接回数は企業によって異なるが、一般的には2〜3回程度である。1回の面接で選考が終わる会社もあれば、3次面接や最終面接を含めて4回以上実施する会社もある。

働きながら転職活動をする場合、面接は1週間に1回程度のペースになることが多い。そのため、面接期間は合計3〜4週間程度を見込んでおくとよい。

面接では、主に次のような点を確認される。

  • これまでどのような業務を経験してきたか
  • なぜ監査法人から転職したいのか
  • なぜその業界や会社を志望しているのか
  • 自分の強みや弱みをどのように認識しているか
  • 入社後に何を実現したいのか

単に回答の内容を見るだけでなく、説明に説得力があるか、話の筋道が通っているか、質問に対して的確に受け答えできるかといった点も評価される。

成長意欲や仕事に対する姿勢、応募先の企業文化と合いそうかという点も見られるだろう。

コンサルティングファームなどを受ける場合には、通常の面接に加えて、ケース面接が実施されることもある。その場合は、一般的な面接対策とは別に準備が必要になる。

最終面接では、役員やパートナーなど、その会社の経営層に近い人物が面接官を務めることが多い。

それまでの面接と比べると、細かなスキルの確認よりも、応募者が実現したいことと会社が提供できる環境が合っているか、一緒に働きたいと思える人物か、といった観点が重視されることもある。

ただし、最終面接も選考の一部であることに変わりはない。

意思確認だけで終わるとは限らないため、これまでの面接と同様に、志望動機や転職理由を自分の言葉で説明できるようにしておく必要がある。

④内定・オファー面談:数日〜1週間

最終面接に合格すると、企業から内定の連絡を受ける。

内定の連絡と同時、またはその数日後に、オファー面談が設定されることが多い。最終面接からオファー面談までは、数日から1週間程度が目安である。

オファー面談では、主に次のような説明を受ける。

  • 入社後の役職や業務内容
  • 配属先
  • 給与や賞与
  • 勤務時間や休日
  • 福利厚生
  • 入社予定日

オファー面談は、基本的には選考の場ではない。

企業から提示された就労条件を確認し、疑問点を解消するための場である。提示された年収や役職などについて希望がある場合には、条件交渉を行うこともできる。

ただし、条件交渉をどのように進めるべきか判断が難しい場合もある。転職エージェントを利用しているのであれば、自分で企業に直接交渉する前に、エージェントへ相談するとよい。

また、複数の会社を受けている場合には、それぞれの選考スケジュールをなるべくそろえることが重要である。

先に内定が出た会社の回答期限が迫っているのに、第一志望の会社はまだ1次面接という状況では、十分に比較して転職先を決められない。

企業や転職エージェントに他社の選考状況を伝えることで、面接日やオファー面談の日程を調整してもらえる場合もある。複数社を比較したいのであれば、応募段階から選考時期を意識しておこう。

⑤内定承諾または辞退:原則1週間以内

オファー面談を受けた後は、提示された条件を確認し、内定を承諾するか辞退するかを決める。

回答期限は企業によって異なるが、オファー面談から1週間以内を求められることが多い。

内定が出てから考え始めると、短い期間で重大な決断を迫られることになる。

そのため、面接を受けている段階から、

  • どのような条件であれば入社したいか
  • 現職に残る選択肢と比べて魅力があるか
  • 複数社から内定が出た場合、何を基準に比較するか

といった点を整理しておくとよい。

なお、回答期限までに他社の選考が終わらない場合には、期限を延長してもらえないか相談できることもある。

必ず認められるわけではないが、何も伝えずに回答を遅らせるのではなく、企業または転職エージェントに早めに相談することが重要である。

転職活動を始めてから入社するまでは3〜4か月を見込む

ここまで説明したとおり、情報収集を始めてから内定を承諾するまでの期間は、標準的には7〜9週間程度である。

ただし、内定を承諾した時点で、転職に関するすべての手続が終わるわけではない。

内定承諾後は、現職の上司に退職意思を伝え、退職日を調整する必要がある。その後、担当業務の引継ぎや有給休暇の消化を経て、転職先へ入社する。

監査法人では、担当している監査チームや繁忙期との関係から、退職日の調整に時間がかかることもある。

したがって、転職活動を始めてから実際に転職先へ入社するまでは、全体で3〜4か月程度を見込んでおくとよい。

まとめ

監査法人で働きながら転職活動を進める場合、内定承諾までの標準的なスケジュールは次のとおりである。

①情報収集:約1週間
②応募書類の作成・書類選考:約2週間
③面接:約3〜4週間
④内定・オファー面談:数日〜1週間
⑤内定承諾または辞退:原則1週間以内

合計すると、内定承諾までは7〜9週間程度が一つの目安となる。

転職活動の全体像が分からないうちは、「働きながら本当に進められるのか」と不安に感じるかもしれない。

しかし、転職活動は、最初からすべてを完璧に決めてから始める必要はない。

まずは求人を調べたり、転職エージェントから話を聞いたりするだけでもよい。実際に動き始めることで、自分が転職で実現したいことや、次のキャリアに求める条件も少しずつ明確になっていくだろう。